くろちゃんのこと

くろちゃんが初めて豆鯖庭にやってきたのは、バラの花が咲き始めた、去年の今頃でした。
小柄で、まん丸お目目の、ハチ割れにゃんこ。あげたカリカリをおかわりして、「ごちそうさまでした」ってどこかへ帰って行きました。

そのあとくろちゃんがやってきたのは、8月の末の夜でした。庭のウッドデッキの上で、「ひもじいです」って鳴いていました。そのときもあげたカリカリをおかわりして、「ごちそうさまでした」って帰って行きましたが、それから毎日、ご飯を食べに来るようになりました。
ウッドデッキの上から、リビングに入ってこれるようになって、ご飯を食べてもどこかへ帰って行くことはなくなり、家で寝るようになりました。
最初に用意したトイレは嫌だったらしく、どうしても入ろうとはしませんでした。わたしがプランターに土をいれているところを、くろちゃんはじーーーっと見ていて、そのプランターによく似たトイレを用意したら、1回でトイレを覚えました。
トイレができるようになって、どうやらお家のない猫さんだということがわかってきて、うちの子にするつもりで、9月の末に、動物病院へ連れて行きました。

くろちゃん、という名前が家族の中で決まったのは、動物病院の受付でした。問診票を書いて、カルテを作っていただくときに、名前を聞かれたのです。

3月になって、くろちゃんに発情期がきました。「あおーーーん、あおーーーん」って鳴いてみたり、体をくねくねさせたり、辛そうでした。発情が落ち着いたころに避妊手術をしました。抜糸が終わって、くろちゃんも落ち着いたころ、首輪を買いました。ローズピンクの首輪です。

くろちゃんが豆鯖庭にあらわれてから1年、今年最初に咲いたバラはコーネリア。なぜか、濃いローズピンクの花を咲かせました。くろちゃんの首輪の色とおなじだねぇ、って話しています。

コーネリア

そろそろバラの開花ラッシュが始まりそうな豆鯖庭。今年からはくろちゃんとバラの季節を追いかけていけるんだなぁ、なんて思っています。

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